【弁護士コラム】株券発行会社の概念

株券発行会社の概念

株式は、当然ですが、それ自体目に見えるものではありません。そこで、おおざっぱな説明ですが、株式を紙に結合させたものが、株券です。株券は、有価証券の一種です。

 

会社法においては、全ての会社が株券を発行しなければならない訳ではありません。

 

株券発行会社とは、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定款の定めがある株式会社をいいます。なお、株券発行会社の定義は、会社法117条6項にあります。

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株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければなりません(会社法215条1項)。


しかし、公開会社でない株券発行会社は、株主から株券発行の請求がある時までは、株券を発行しないことができます(会社法215条4項)。

 

株券発行会社と実際に株券を発行している会社は、必ずしも同義ではありません。株券発行会社であっても、公開会社でない会社であり、株主から株券発行の請求がない場合など、株券発行会社でありながら、実際に株券を発行していない会社は存在します。