【弁護士コラム】差し押さえ禁止債権

差し押さえ禁止債権

債権執行の手続きについては、差押禁止債権が定められています。差押禁止債権は、差し押さえることができません。


給与債権については、原則として、支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分は差押禁止債権と定められています。ただし、例えば、給与が月払いで、 4分の3に相当する部分が21万円を超える場合、21万円が差押禁止になっています。給与については、一般的には、額面ではなく、所得税、社会保険料等の 法律上当然に控除すべきものを控除したものを基準に差押禁止の範囲を計算すると考えられます。

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また、退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、4分の3に相当する部分が差押禁止になります。給与の場合と異なり、高額な退職手当を受ける場合であっても、21万円を超える部分が全額差し押さえができるようになるものではありません。


ただし、養育費、婚姻費用などの債権に基づき給与債権の差押えをする場合については、4分の3ではなく、2分の1が差押禁止になります。また、特別法により差押禁止債権となっている債権もあります。例えば、国民年金、厚生年金は、差押えが禁止されています。


なお、例えば、厚生年金が振り込まれた後の預金債権に対する差押えを認めた裁判例があります。差押禁止債権であっても、実際に支給され預金債権になった場合は、条文上明らかではありませんが、差押えを認める場合が多いと考えられます。

執筆弁護士紹介

弁護士 寺部光敏
弁護士 寺部光敏
寺部法律事務所代表弁護士。
名古屋大学法学部卒業後、平成12年10月に弁護士登録。平成15年10月に寺部法律事務所を開設。「 前を向いて歩む”チカラ”になる」をモットーに開設当初から豊橋を中心とした東三河エリアに交通事故、債務整理、相続、離婚、企業法務などの法律サービスを提供。