【コラム】強制執行総論1

強制執行総論1

強制執行をするためには、まず、債務名義が必要です。債務名義にあたるものとしては、①確定判決②仮執行宣言付き判決③仮執行宣言付き支払督促④調停調書⑤執行証書⑥和解調書などがあります。


確定判決は、例えば、すでに確定した「被告は、原告に対し、金100万円を支払え。」という判決主文の判決です。仮執行宣言付判決は、例えば、上記の判決が確定していないものの、「この判決は、仮に執行することができる。」という文言があるものです。

 

なお、上記のような給付判決ではなく、確認判決の場合は、強制執行はできません。また、例えば、離婚を認める判決の場合、離婚については、強制執行ではなく、市町村役場に離婚の届出をすることとなります。

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和解調書、調停調書の場合などには、合意の内容、形式によっては、強制執行できない条項もありますので、注意が必要です。

 

執行証書は、
①金銭の一定額の支払いまたはその他の代替物もしくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について
②公証人が作成した公正証書であり
③債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されていること(執行受諾文言)

が必要です。

 

したがって、例えば、不動産の明渡しの約束については、公正証書に記載しても債務名義にはなりません。また、金銭の支払いの約束であっても、執行受諾文言が記載されていなければ、債務名義とはなりません。


これに対し、例えば、裁判上の和解をした場合の和解調書については、上記①のような制約はなく、不動産の明渡しについても債務名義となりえます。また、和解調書には、執行受諾文言は不要です。

 

例えば、相手方がお金を支払う約束を守らないとき、相手方の財産を差し押さえるためには、まず、債務名義を取得する方法を検討する必要があります。