【弁護士コラム】会社法の概念その1、公開会社 

会社法の概念その1、公開会社

このコラムでは、会社法にある「公開会社」「公開会社でない会社」について、説明したいと思います。会社法には、何度も「公開会社」「公開会社でない会社」という言葉がでてきます。それでは、「公開会社」「公開会社でない会社」とは、それぞれどのような意味でしょうか。

 

公開というと株式の上場をイメージするかもしれませんが、株式市場に上場しているか否かという意味ではありません。株式市場に上場していない会社にも、会社法上の「公開会社」は、存在します。

 

それでは、「公開会社」「公開会社でない会社」とは、どのような意味でしょうか。

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会社法第2条5号には、公開会社の定義として「その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう」という規定があります。

 

まず、ある株式会社が株式を1種類だけ発行する場合、定款に株式の譲渡制限を課す旨の規定がない場合、当該株式会社は、「公開会社」であり、定款に株式の譲渡制限を課す旨の規定がある場合、当該株式会社は、「公開会社でない会社」にあたります。

 

次に、ある株式会社の定款に複数の種類の株式を発行する旨の規定がある場合、そのうちの少なくとも1種類の株式について、譲渡制限を課す旨の定めがない場合、当該株式会社は、公開会社になります。会社が発行する複数の種類株式の全てに譲渡制限を課す旨の規定がある場合、当該株式会社は、公開会社でない会社になります。