【弁護士コラム】株主総会決議の取消しの訴えについて

株主総会決議の取消しの訴えについて

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会社法では、株主総会の決議の取消しの訴えの制度を規定しています。


株主総会の決議の取消しの訴えの事由となるものとして、会社法は、

①株主総会の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき
②株主総会の決議の内容が定款に違反するとき
③株主総会の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき

をあげています。

株主総会の決議の取消しの訴えについては、株主総会決議の日から3ヶ月以内に訴訟を提起しなければなりません。


また、会社法は、裁量棄却の制度を認めており、株主総会の決議の取消しの訴えの提起があった場合において、株主総会の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、請求を棄却することができる旨規定しています。


また、判決の効果について、民事訴訟では、判決の効果は、原則として、訴訟の当事者にのみ及びますが、株主総会の決議の取消しの訴えでは、請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有します(会社法838条)。